
この濃いオレンジ色のものが陰解法で解いた解になる。こうしてみると、解析解との差異もあるし、わざわざ陰解法を使う理由が良く見えにくいかもしれない。しかし思い出してほしいのは、陽解法では同じ$dt=0.01$とすると途中で計算が発散してしまって、定常解に到達できなかったということだ。しかし陰解法では同様の現象は生じることなく、

といった形で温度ゼロまで安定的に計算を実施することができる。これは実は現実的には極めて大きなメリットとなる。というのも、全ての格子の大きさが一定で、かつ物性値も一定である場合は、全体に対して同じ時間ステップを与えて解を求めればよいのだが、解きたい対象がこのような条件を満たす場合がかなり少ないからである。そのため陰解法の安定性は魅力的な武器になる。